ティファニーで朝食を

過去の名作にも登場するネコたち

「ティファニーで朝食を」といえばオードリー・ヘップバーン主演の代表作として知られています。

往年の映画ファンなら観たことがない人はいないというほどの名作中の名作ですが、そこにも名演技をするネコが登場しています。

作中ではネコに名前がなく、日本語吹き替え版では「ネコ」や「名無しのネコちゃん」といった呼ばれ方をしているのが特徴です。

「ティファニーで朝食を」でオードリー・ヘップバーンが演じているのは夢見がちでロマンティストな娼婦で、いつかお金持ちと結婚することを毎日考えています。

そんな主人公女性ホリー・ゴライトリーの家には一緒に暮らす中年のネコがおり、それがストーリー全体に大きな関わりを持ってきます。

有名なラストシーンでは雨の中でホリーが恋人の男性と向き合い、飼っていたネコを見つけて自分の懐に入れるというものになっています。

一番盛り上がる場面では雨の路地裏でネコを間に入れた形で抱き合うというふうにしているのも歴史に残る名シーンです。

ネコ好きにしてみるとあんなにずぶ濡れになってよく暴れないなと心配になってしまうところですが、その他にも眠っているホリーにすりよったりと「どうやったんだろう?」と不思議に思える場面がいくつかあります。

伝説のネコトレーナーによる俳優ネコたちの活躍

「ティファニーで朝食を」に登場しているオスの中年ネコの名前は「オランジー」といい、この作品以外にも数々の場面で演技を披露してきました。

ある意味1950年代~1960年代の映画シーンに名前を刻んだ世界一有名なネコと言ってもいいくらいです。

オランジーの飼い主はフランク・インという当時大変有名になった動物トレーナーで、オランジーの他にも60匹以上の動物たちを訓練していたといいます。

フランク・インはそれぞれの動物の特性をよく理解しており、あらかじめ依頼を受けたときにどういった演技が必要かということを考えてそれが得意な動物を派遣していたのだといいます。

なお「ティファニーで朝食を」にかぎらず動物を使ったドラマや映画の撮影では、俳優動物は一匹だけでなく同じような体格や模様をしたものを複数つかい場面ごとに編集していくという手法がとられます。

「ティファニーで朝食を」に登場してくるオランジーも全てのシーンを一匹だけが演じているというわけではなく、場面によっては別のネコが使われているとのことです。

ネコが結びつけた二人という素敵な物語

「ティファニーで朝食を」はとても有名な作品なのでいまさら説明をすることもないのですが、一応あらすじを説明しておくと無邪気な主人公と同じアパートに住む男性とを飼猫が結びつけてくれるというものです。

「ティファニーで朝食を」を有名にした名シーンは数多くありますが、その中の一つにオードリー・ヘップバーン演じるホリーが窓際でギターを片手に「ムーンリバー」を歌うというものがあります。

ホリーは娼婦、相手のポールはお金持ちの女性と愛人契約を結ぶ男性というちょっと殺伐とした関係であるところを、コミカルなネコが間に入ってくれることでかなり柔らかい雰囲気にしてくれます。

特に印象的なのはポールが最初にホリーのネコに会うところで、いきなり肩に飛び乗って騒ぐというマンガのようなワンシーンが見られます。

飼い主のホリーは長年そのネコと暮らしているのに名前もつけていないというところからもわかるように、全てのことに対して適当でいい加減な性格をしており、それがまたネコを飼っているというキャラクターにうまく結びついていますね。

めちゃくちゃな主人公に振り回されながらも時々賢いところを見せるという中年ネコの貫禄は、今あらためて見てみるとさすが往年の映画スター(?)という感じがします。